今年度においては、コロナウイルス対応に関連した補助金等の受入が多いことから、
収益全体に対する補助金等の割合が高くなると思われます。
会計処理については、平成30年3月30日最終改正の
医療法人会計基準適用上の留意事項並びに財産目録、純資産変動計算書及び附属明細表の作成方法に関する運用指針「19 補助金等の会計処理について」に記載のとおり、
医療法⼈が国⼜は地⽅公共団体等から補助⾦等を受け⼊れた場合の会計処理は以下のとおりとする。
① 固定資産の取得に係る補助⾦等については、直接減額⽅式⼜は積⽴⾦経理により圧縮記帳する。
② 運営費補助金のように補助対象となる支出が事業費に計上されるものについては、当該補助対象の費用と対応させるため、事業収益に計上する。
なお、補助金等の会計処理方法は、会計基準第3条第5号の事項として注記するものとし、補助金等に重要性がある場合には、補助金等の内訳、交付者及び貸借対照表等への影響額を会計基準第22条第8号の事項として注記するものとする。
この指針に従って、コロナ関連を含む運営費補助金(収入補填・経費補填)は、損益計算書の本来業務事業損益、附帯業務事業損益及び収益業務事業損益に係る事業収益で処理されることになります。
この処理を実施した場合、社会医療法人の認定要件に抵触するリスクがあるため、追加の対応が必要になりますのでご留意ください。
ここで、抵触リスクの問題とは、認定要件にある収入全体のうち、 社会医療法人、特定医療法人及び認定医療法人が満たすべき要件 (社会保険診療等に係る収入金額が全収入金額の 80/100 を超えること) を満たさないリスクが発生する問題です。
運営費補助金は、損益計算書の本来業務事業損益、附帯業務事業損益及び収益業務事業損益に係る事業収益で処理しますが、今年度は補助額が多額となるため、この認定要件に抵触する可能性があります。
この問題についての対応方針は、厚生労働省からの通知「 社会医療法人、特定医療法人及び認定医療法人が満たすべき要件 (社会保険診療等に係る収入金額が全収入金額の 80/100 を超えること)について (令和3年3月31日)」より、以下の取扱いとなりました。
(以下、抜粋)
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金その他 の新型コロナ対応のために国又は地方公共団体が交付する補助金のうち固定資産の取得に係るもの以外については、緊急的かつ臨時的に、医療機関として行う本来業務に対して行われる補助であり、自ら金額を任意に設定できないものであることから、要件設定の趣旨に照らして、当面の間、社会保険診療等に係る収入金額(分子)及び全収入金額(分母)に算入するものとする。